第64回 日本先天異常学会学術集会 ご挨拶

第64回日本先天異常学会学術集会の大会長を拝命いたしました東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 分子発生・口腔組織学分野 井関祥子と申します。日本先天異常学会(The Japanese Teratology Society)は、1961年に第1回大会が開催され,1968年には日本医学会に61番目の分科会として加盟を認められた伝統ある学会であり、1960年から61年にかけて発生したサリドマイド事件を契機に、この分野の研究を進展させるべく、日米欧でほぼ同時期に設立された学会です。本学会に参集した基礎医学分野(解剖学、病理 学、薬理学、衛生学、ゲノム科学等)及び臨床医学分野(小児科、産婦人科、外科、整形外科等)の専門家によって、この分野の学際的な研究が始まりました。現在では、生殖発生毒性学や遺伝学の専門家も加わり、様々な要因で引き起こされる先天異常に関して、発生機序の解明、予防、治療等に関する先進的な研究を続けています。

今回の第64回学術集会では、このような学際研究について、先天異常学研究の原点に立ち、形態形成(形づくり)の視点から捉えていただこうと思い、「形づくりから迫る先天異常研究」をテーマといたしました。

会期中は2日間にわたって、総会、特別講演、海外招聘講演、教育講演、シンポジウム、ランチョンセミナー、奨励賞受賞講演ならびに一般演題を含むプログラムを予定しております。一般演題はポスター発表が基本となりますが、その中で今年から若手ピックアップの企画も準備しており、一般優秀演題とともに将来を担う若手研究者の方々にご講演いただく機会も考えております。

コロナ禍は収束いたしましたが、感染症対策に対しては十分に配慮して、今大会は現地開催いたします。大会当日に皆様をお迎えできますよう、学術集会事務局一同、鋭意準備を進めてまいります。東京船堀で皆様にお会いできることを楽しみにしております。

令和5年 12月吉日
第64回日本先天異常学会学術集会
大会長 井関祥子
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 分子発生・口腔組織学分野